各校の出題形式を知る 第4回 社会

社会の問題用紙というのは、他教科に比べても長い。教科別の電話帳(各校の入試問題集)を比べてみると、同じ収録校数なのに社会と国語はずばぬけて厚い。最近は国語の著作権の問題があるので、収録できない場合もありますから、今後は社会が一番長くなるかもしれません。

もとから社会は、問題文も長くなるし、資料や統計、あるいは地図と織り込むものが多いので、問題文を読み解く力も必要になってきましたが、しかし、問題をよく見てみるとやはり大きく分けて3つに分類することができるでしょう。

(1) 知識単答型
(2) 資料読解型
(3) (1)と(2)の融合型

(1)はずばり、知識を問う。問題の形式がどうであれ、最後に知っているか、知っていないかで勝負が決まる問題です。地理にしても歴史にしても、知っているか、知らないかで問題の答えが出る学校。やはりこの類型が一番多いとは思います。
(2)は知識も必要なのだが、しかしそれだけでは解けない。考える必要がある、あるいは資料から読み解く必要がある問題を出題する学校。
(3)は(1)と(2)の両方を出す学校。しかし、この類型はやはり知識の比重が大きいと言えるだろうと思います。

男子受験校では(2)が比較的多くみられるが、しかし、形式に惑わされてはいけません。良く問題を見てみると、「なんだ、これは知らないとできないじゃないか」という問題が案外多いものなのです。大学受験をさせる学校では、比較的細かな知識を問う場合が多い。「日本地理は、中学受験のころの知識で大学を受けた」という強者もいるくらいですから、ある程度細かいことを出す学校もあります。

だから、いったいどのレベルまでの知識が必要になるかを考えないといけないわけですが、これは学校の入試問題を見てみればわかります。多くの学校の場合は塾が用意する暗記テキストで充分なはずです。それ以上に細かいことは、中学校の歴史の教科書を読んだり、あるいは問題を通して覚えていくしかないわけです。しかし、基礎が充分でないのに、そちらに手を出しても意味がない。まずは基礎力をしっかり養うことでしょう。

その上で(2)の学校を受ける場合は、過去問を練習することです。あるいは似た出題傾向の学校も練習すると良いでしょう。逆に(1)の類型であるならば、もうシンプルに覚える、ということに注力することです。

ただ、知識は覚えても忘れるのが早い。その分繰り返さないといけないので、あまり早くからやるのではなく秋に力をつけていければよい、と考えるとよいでしょう。

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